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【神栖市】萬徳寺で写経会にトライ!

久しぶりに朝から雨が降りしきる5月の土曜日。神栖市平泉の『萬徳寺』で写経会が行われた。客殿に通されると良い香り、お香を焚いて室内を清めている。私が写経会に参加するのはこれが初めてだ。以前から興味はあったが、なかなか機会がなく・・・子供の通う幼稚園の園長先生が萬徳寺住職ということもあって、こちらでも写経会が行われていることを知ったのだった。

塗香(ずこう)という粉末状の香を手のひらに塗り身体を清める。普段から香に縁が無い。あ、仏壇のお線香や蚊取り線香の香りは大好きだ。それに比べると深みがあって上品で、ちょっぴりスパイシー。塗香入れもなかなか素敵。

住職の法話が始まる。萬徳寺は真言宗大覚寺派の寺院なので、真言宗開祖・空海(お大師様)の話をしていただいた。日本史で聞き覚えのある言葉が出てくる。不思議なもので、高校生のころ退屈だった話も、大人になった今なら興味深く聞くことができるんだなぁ。

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今回写経に参加しているのは、その多くが檀家の皆さんだ。私ともう一人が初めての参加で、それ以外の方は何回も参加しているベテランさん。比較的年輩の方が多い。

写経用紙には薄く書かれた般若心経の文字、筆でなぞればよいものだった。筆と言っても筆ペン。初心者でもそこそこ上手に書けるので嬉しい。とはいえそこは般若心経、なめてもらっちゃ困る。見慣れない難しい字も多く、自分の漢字力に不安になることも。

数行書いて気づいたことがある。頭に雑念があると字が乱れるのだ。雑念バレバレ。西暦818年に疫病が流行ったとき、その原因は「嵯峨天皇に徳がないからだ」と言われたそうだ。なんという理不尽。頭を抱えた嵯峨天皇に、お大師様は写経をすすめたとのこと。嵯峨天皇は写経に励み、疫病は収まったという。・・・嵯峨天皇に雑念は無かったのか?そんなことを考えながら写経しているから、ほらまた字が乱れたじゃないか!

「写経やるの?いいよあれは、クセになるよ」と知り合いに言われた。その意味がだんだんと分かってきた。雑念がスッと消えた瞬間、目の前の文字と自分だけの世界になる。これは気持ちいい。慣れない筆ペンの動きに指先が少し痛くなるが、それすらも気持ちいい。あぁこれが写経ハイか。よし、今日の写経をLocotyのコラムにしよう。そんなことを思って、また字が乱れる。

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写経を終えると本殿で奉納する。萬徳寺の本殿は昨年10月に新しく建てられたもので、中は明るく煌びやかだった。皆さんに倣い、写経を奉納。般若心経を唱える住職の声が響き、それと一緒に私たちも唱える。私の実家も真言宗なので、般若心経は何度か唱えたことがあるけど・・・まったく意味が分からない。分からなくても、何だか有難い気持ちになる不思議が、そこにはある。

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奉納を終えて写経会は終了。お茶と最中をいただき、しばらく岩堀住職とお話をした。住職といっても、私にはどちらかといえば幼稚園の園長先生。実は今回、幼稚園の保護者枠で参加したのは私だけだった。せっかくわが子が仏教系の幼稚園に通っているのだから、親も仏教に触れる機会があっても面白そうじゃない?保護者の写経会開きましょうよ!と私。園長先生は(この人はいろいろやりたがるなぁ)と思ったか思わなかったか、終始ニコニコしていた。

写経は楽しい。ぜひ一度やってみると良い。身近で遠かった仏教の世界を、ほんのちょっとだけ体感することが出来るかもしれない。そして住職もこのように話してくれた。

「お寺はお葬式など法事だけの場所ではないのです。こうやって身近に感じてくれたら嬉しいですね。」

【萬徳寺の詳細情報】

■住所:茨城県神栖市平泉2413

■電話番号:0299-92-0068

■写経会の予定:年に5回ほど開催されています(次回予定・平成29年8月15日午前5時半より)

※詳しくは萬徳寺へお問い合わせください

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