Locotyコラム

~中秋の名月~ 十五夜に「団子盗み」??

夜空を見上げると雲の隙間から美しい月が顔を出していました。「中秋の名月」です。毎日のように見ている月でも「中秋の名月」というだけでいつもより特別な感じがするのはなぜでしょうか。
「中秋の名月」とは「秋の真ん中に出る満月」のこと。しかし実際満月になることは少ないのです。満月の1~2日前が旧暦の8月15日にあたり、それが「十五夜」です。十五夜は毎月ありますが、秋の澄んだ夜空に月が美しく見えることからこの時期の十五夜を「中秋の名月」と呼ぶのでしょうね。

ところで、なぜ十五夜にはお団子をお供えしてススキを飾るのでしょうか?
元々は芋・栗・豆類がお供えされていたようですが、江戸時代の後期になると五穀豊穣の感謝を込める意味で、収穫したお米で作ったお団子もお供えするようになりました。またその形が月を表しているなどの理由からお団子が定着していったようです。
ススキは月の神様をお招きする「依り代(よりしろ)」として飾られています。本来は稲穂を飾るのですが、この時期に稲穂を揃えることが難しく代わりに似たようなススキを飾るのです。秋風に揺れるススキ、素敵ですよね。

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そして、十五夜といえば「団子盗み」。ん?団子を盗む?・・・おっと、これは穏やかじゃありません。

実はこれ、昔よく行われていた子どもたちの秋のお楽しみだったのです。
普段は小学生が夜に出歩くなどもってのほかでしたが、この日の夜だけは外出が許されていました。友達と一緒に、各家庭に供えてある月見団子をつまみ食いに行くのです。ハロウィンのように「Trick or Treat」なんてやりません。あくまでもこっそりと。まさしく「団子盗み」です(「お月見どろぼう」という地域もあるそうです)。中にはちゃんと「お団子くださーい!」と行く子どもたちも。何とも微笑ましく礼儀正しいどろぼうさんですね。お供えする側も縁側の盗みやすい位置にお供えしていたのでしょう。
神栖市では須田地区や柳川地区の辺りで、10~30年ほど前にやっていたとの情報があります。私が生まれ育った場所では聞いたことがなかったので、初めて聞いたときはびっくりしました。
お月見の日に芋や団子などのお供えを盗られた農家は豊作になり縁起が良いと言われ、また子どもたちが月の使者であると信じられていたことから、団子盗み(お月見どろぼう)ができたと言われています。今でも全国的に、特に農村部ではこの風習が残る所があります。

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大人になった私たちは、中秋の名月に子どもの頃の楽しかったことを懐かしく思い出します。現在は住民同士のつながりも以前ほど深くはなく、安全面での不安もあることから、子どもたちが同じように思い出を作ることは難しいのかもしれませんね。ただ、あの頃大人たちがしてくれたように、今、子どもたちに伝えることができたら楽しいなって思うのです。いつか月の美しい夜に、かわいい団子盗みが来ることを願って。

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