ちばらき人 ーIBARAKI×CHIBA-

アニソンDJイベントを通して、クラブ・カルチャーを浸透させたい ~aniloop オーガナイザー・のり助~

【Locoty×ちばらき人インタビューvol.7】

のり助(のりすけ)
1974年生まれ、神栖市在住。小学生の頃から神栖で育ち、市外の高校・大学で青春期を過ごしたのち、就職を機に再び神栖へ。ラジオ番組のイベントをきっかけに、クラブDJの魅力にハマる。週末に都内のクラブでDJの経験を積んだのち、2016年に仲間たちとアニソンDJイベントaniloop(アニループ)を立ち上げた。

― DJを始めたのは、いくつくらいの時ですか?

実は、DJを始めたのは遅くて38歳の時でした。

当時、趣味と言えば庭いじりとラジオくらいで。2011年のある日、ラジオ番組『ザ・トップ5』のキックオフパーティーにリスナー仲間と参加したんです。そこで、高野政所さんとプリキュアおじさんのDJを初めて体感したのがきっかけ。自由なジャンルでプレイするDJと、”音楽を浴びる”という快感に、自分がやりたいのはコレだ!と。

それからは、都内のDJイベントに足を運び、知り合いを作り、情報を交換し、レコード屋を回って…

そうやって自宅でmixテープを作っているうちに、東京で活動しているDJ一休さんやスピードタモリさんに声をかけてもらい、人前でプレイする機会をいただきました。

― PCを使ったDJの多い中、のり助さんはレコードのDJにこだわりを持っているように感じます。

レコードへのこだわり…と言っても、アナログの音がどうこうというのは全く無いです。ただ純粋に、レコードでプレイするのは格好良いし、そういうスタイルに憧れがありました。また、DJが飽和状態の昨今、オファーをいただくために”レコードオンリー”で他のDJとの差別化を図る、といういやらしい側面もあります(笑)

基本的なDJのスタイルは、敬愛するDJフクタケさんを参考にさせていただいてます。とはいえ、ただのモノマネにならないように、そこは自分らしさを求めて。

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― アニソンDJイベント「aniloop」を立ち上げたきっかけは?

DJを始めてから、“DJしたいのに、DJする場が無い”という問題に直面しました。地域にクラブ・カルチャーが育っていないので、クラブイベント自体も少ない。

DJって基本的にDJをしたい、誰かに聞いてほしい生き物なんです。だから“DJする場が無いなら、自分たちで場を作っちゃおう”と。自身で体感してきたクラブの楽しさ、DJの面白さを多くの人に知ってもらうことで、この地域にもクラブ・カルチャーが育っていけば良いし、DJの機会も増えると考えたんです。

まずイベントを立ち上げるには、仲間が必要。ちょうどその頃、千葉県銚子市で地域活性化×アニソンDJイベント「銚子アニソンフェス」が開催されました。そのお手伝いを通して知り合った仲間と、昔から付き合いのあるDJを誘い、第1回目のaniloopを開催しました。

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― 音楽にも様々なジャンルがあります。その中でアニメ・特撮ソングを選んだ理由は?

DJって、ターンテーブルでキュッキュやっているイメージがあると思います。そのようなスクラッチ主体のDJもいますが、我々はどちらかといえば選曲中心のDJ。曲を選んで繋いで聞いてもらう、そんな自分たちのやりたいスタイルをやるために、まずはお客さんを呼ばなくてはなりません。そして、お客さんを呼ぶには、間口は広い方が良い。

アニソンは割と誰でも通ってきた道で、40・50のおっさんでも小さい頃はアニメを見て育ちました。大人にとってアニメは”アニメおたく”だけのものではなく、多くの人にとって身近に感じられるジャンルなんです。音楽を通して”アニメおたく”とそうでない人が一緒に楽しめる、それがアニクラ(アニソンのクラブイベント)の良さであり面白さでもあります。

― 自身が立ち上げた初めてのイベント、不安はありませんでしたか?

不安しかありませんでしたね(笑)
まず、イベント告知が行き届かない。これだけSNSが広まっているにもかかわらず、SNSに載せても反響がない。機材の準備やDJを遠方から呼ぶこともあって、告知に多くの経費もかけられません。たくさんの人に知ってもらい、興味をもってもらい、来てもらうことは本当に難しい。今だに課題の一つです。

ですが、いざ始めてみると、こういう場を欲している人が、この地域にもたくさんいるということに気付かされました。aniloopはアニメ・特撮ソングのDJイベントですが、このジャンルが好きで、歌って踊ってコスプレしたい人が集まって、イベントを楽しんでくれた。

aniloopはイベント当初から、お友達やお子さんを誘って応援してくれるお客さんもいます。広く告知するのが難しい中で、人と人のつながりが新しい出会いをもたらしてくれることに、今は感謝しかないですね。

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― 2017年からTSUTAYAアウトレットでもaniloopが行われるようになりました。

それまでのaniloopはクラブイベントのみでしたが、『クラブ』には色々とダークなイメージがありますよね。なので「興味はあるけど、クラブに行くのは怖い」という方が多い…。実際に迷惑行為・不法行為が横行しているクラブも無くはないので仕方ないのですが、そこで「aniloopは違いますよ、クリーンですよ」と言って回るよりは、一度気軽に体験してもらった方が早いな、と。

そんな理由から、鹿嶋市のクラブGhostの店長にTSUTAYAアウトレット神栖店さんを紹介してもらい、場所を提供していただきました。お買い物ついででも良い、お食事ついででも良い、誰でも安心して気軽に足を運べるフリーイベントにしたことで、アニソンDJイベントの敷居を低くしたんです。

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こちらは“小さなお子さん連れでも安心して楽しめるアニクラ”という一面もあるので、お子さんが好きなアニメ・特撮に力を入れた選曲が多いですね。以前はママさんゲストDJが幼児向け番組の曲をかけて、子どもたちと一緒に踊ったこともあります(笑)

このようなイベントは生モノなので、その時どき、どんな曲がかかるかはDJの手腕に託されているところもあります。当日の客層や雰囲気に応じて選曲を入れ替えたりもします。もし知らない曲ばかりだとつまらないな…と思ったら、好きな曲をどんどんリクエストして下さい!DJも頑張ってそれに応えます!!

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― 今後、どのような活動をしていきたいとお考えですか?

これからもaniloopを通じて、多くの人にクラブとDJの楽しさを知ってもらいたいですね。aniloopのクラブイベントは日曜のお昼間から行うので、小学生くらいならお子さん連れでも大歓迎。TSUTAYAアウトレット神栖店さんでのイベントなら、もっと幅広い年代の方に気軽に楽しんでいただけます。次回イベントが決まりましたらTwitter等で発信するので、ぜひチェックしてください。

また、地域のイベントにも積極的に参加したいです!まだオファーはありませんが(笑)
うちは「お金は(なかなか)出せないけど、人と機材は出せる!」というのがウリ。地域おこしみたいな大きなことは出来ませんが、イベントの一端を楽しませることは出来ると思います。ぜひ出演依頼ください!!!もちろん、お店からのオファーもお待ちしています。詳しくはTwitterのDMからお問合せください。

とにかくDJができる場所、人に聞いてもらう場所が欲しい。幸い神栖には、中央公園や防災アリーナなど人が集まる場所があります。一方で、自分たちのように”パフォーマンスできる場所”を求めている人もたくさんいる。これらがつながったら、この町はもっと面白くなる。こういった施設には、誰でも利用しやすい柔軟なスタイルを期待したいです。

― 公園の一角で、コスプレした人や子どもが一緒になって歌って踊ってたら楽しそうですね!アリーナのロビーにDJブースがあっても面白そうです。

そんな風に、DJイベントが誰にでも身近なものになってほしいですね。

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-撮影協力-

コシニール ベーカリーカフェ神栖店

茨城県神栖市平泉266-10
TEL 0299-95-6866
営業時間 9:00~20:00 (定休日なし)
Instagram

(取材/kawano akiko  撮影/花ヶ崎拓也)

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