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【行方市】梅香る「大山守大塲家郷士屋敷」で感じた、人々の暮らしと”おもてなしの心”

春を感じさせる陽気の2月中旬、行方市にある県指定有形文化財のひとつ「大山守大塲家郷士屋敷」を訪れました。ちょうど『行方の雛まつり』開催期間でもあり、お屋敷にはお雛様が飾られているのです。

大塲家は水戸藩の大山守を務め、水戸藩南部の藩行政にたずさわってきました。江戸時代前期の寛文期(1661年~1672年)初代水戸藩主・徳川頼房の宿泊所として、また藩政事務所として「大山守大塲家郷士屋敷」は建てられました。
現在の屋敷は平成16年から平成20年にかけて大規模な解体修理が行われ復元されたものです。

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里山の風景にとけ込む茅葺の門。丁寧に手入れされた庭。そして重厚な茅葺屋根のお屋敷。
「ただの古い建物でしょ?」なんて思ってたら勿体ないですよ。耳を澄ませてみてください。想像を広げてみてください。そこには江戸時代の人々の息づかいがあるのです。

蔵には徳川光圀公らの書

明治期に作られた東蔵は、受付兼資料館となっています。重厚感ある蔵の戸を開けると、大塲家が遺した貴重な資料が展示されていました。

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水戸黄門とも知られる徳川光圀公や、徳川慶喜公(江戸幕府第十五代将軍)の実父である徳川斉昭公らの書。時代劇や教科書で知っている人物が、この地にも足を運んだという記録に、時はつながっているのだとあらためて感じます。宿泊の記録など大量の古文書が保存されているのは、大塲家が過去に火事を出したことがないのはもちろんのこと、もしかしたら当主は事細かく記録するようなマメな性格だったのかも…などと想像してみたり。

資料館内は撮影禁止となっています。お立ち寄りの際は資料館もじっくりと見学してください。

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屋敷に感じる、江戸時代の人々の暮らし

屋敷は居住・役宅部と、藩主の宿泊所として使われる御殿部が、一つの屋敷になったつくりです。こちらでは今の時期だけの特別展示として、たくさんの【つるし雛】が飾られていました。茶の間では梁や建具の風合いが【雛人形の段飾り】と【打掛】の美しさを際立たせています。
土間に飾られた雛飾りに「かわいらしいねぇ」とはしゃぐ女中さん。茶の間では奥様が、段飾りを子どもたちと飾っている。そんな光景が、ふと見えてきませんか?

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こちらの格子戸を入ると「お白洲」の文字がありました。お白洲といえば”遠山の金さん”のイメージですが、あちらは江戸町奉行。こちらは地方の簡易裁判所といったところでしょうか。どのようなあらそいごとが、ここで審判されていたのでしょう。

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お風呂は東南に面しており、戸を開けたらちょっぴり開放的なバスルーム。排水機能もばっちりです。女中が湯を沸かして樽に湯を張るのだろうけど、これだけの湯を準備するのは大変なことだったでしょうね。

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小さな庭園に面した御殿の間。光圀公も斉昭公も、ここでのんびり旅の疲れを癒していたのですね。ごろんと昼寝をする姿が見えるようです。すると突然空に響く轟音!ここは百里基地も近いのです。上空に響く飛行機音を聞いたら、藩主の殿様もびっくり飛び起きることでしょう(笑)

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「大山守大塲家郷士屋敷」で一番目を見張るものといえば、やはり立派な茅葺屋根ですね。重厚感があって美しい。土間からみた内側の作りもまた美しいのです。はぁ~美しい・・・

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さりげない”おもてなし”に心あたたまる

木のベンチに座り風に揺れる葉の音に耳をかたむけると、数百年前の人々が同じように耳をかたむけていたんだろうなと、不思議な気持ちになります。同じように梅の花が咲き、ロウバイの甘い香りを楽しんでいたのでしょうか。

すると、施設の方がお茶と干し柿を持ってきてくれました。

お茶と干し柿をいただきながら、いろんなおしゃべりをしました。
お茶うけの干し柿の柿も梅干の梅も敷地内に生ったものだということ。つるし雛は「行方生活学校」の皆さんの作品だということ。大きな避雷針は隣の松の木に背を越されてしまったこと。その松ぼっくりがとても大きいということ。たまにカラスが悪さして茅葺の萱を引き抜いてしまうこと。たまに受付を通さずこっそり写真を撮っていってしまう人がいること。(ちゃんと受付を通しましょう!)

良いお天気も相まって、とても心地よい時間を過ごすことができました。これこそが本当の“おもてなしの心”ですね。

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少しづつ暖かくなり、春の足音が聞こえてきました。
こちらでのお雛様飾りは2020年2月29日(土)までで、2月16日(日)の特別開館日には草餅などの無料配布もあります。(※『第8回 行方の雛まつり』は3月1日までの開催です。)
3月になると『春のお茶会』が行われます。この時は普段入ることのできない座敷にもあがることができるそうです。

「大山守大塲家郷士屋敷」で、春の訪れと江戸時代の人々の息吹を感じてみませんか。

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【詳細情報】

大山守大塲家郷士屋敷
(おおやまもりおおばけごうしやしき)

場所 行方市玉造甲4533

電話 0299-55-3230

開館日 火・水・木・土曜日(年末年始休館)

開館時間 10:00~16:00(入館は15:00まで)

入館料 大人 300円
    小・中・高生 200円
    ※団体料金あり(団体要予約)

駐車場 あり

公式サイト コチラ

※記事は2020年2月現在の情報です。

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